2004年 ろうそくの灯火のおしゃべり
ずーとおしゃべりを休んで『煙のむこう』というお芝居を作っていました。
構想はもう5〜6年前から。実際、昨年から作り始めて今年の2月に試演会。6月に3回本公演。
11月に再演2回という具合で、ひたすらこの作品づくりに打ち込んだ日々でした。
本当に不思議なことに、ふとしたことから色々な人の協力と想いが結集して、湧き上がるがごとく
生まれた『煙のむこう』という作品。
いざ本公演を準備する中で、足を棒にしてチラシまきをしても予約は増えず困っていた所で
救いの手が現れました。朝日新聞の記者の方が紙面に大きく取り上げて下さったのです。
お陰でMOKELE MBE MBE PROJECT始まって以来の新しい観客の方がたくさんいらして下さり、
都電の小さな旅は暖かいものとなりました。
アンケートを読むと、窓の外の風景と、目の前で語っている人物と、自分の人生が色々に頭の中を
めぐってとても不思議な感覚だったという感想が多く、作り手の私達の意図以上に皆さんが共感
して下さったようです。
今回の内容のテーマ、生と死そして時間ということが現実に、毎日痛感する厳しい時代になって
しまいました。
『煙のむこう』をやり終えた私達は、この後どうしようか現在考えています。
『煙のむこう』をもっと多くの人に観てもらいたいし、何度観ても感じ方が変わるので、定期公演で
やり続けて欲しいという声もありますが、そうすべきなのでしょうか。それとも、次に作るべき何かが
待っているのか。
激動の歳の瀬に、巨大地震の恐ろしいニュースを見ながら、私に一体何ができるのだろうかと、
頬づえをついている、そんな暮の一日です。